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樺沢紫苑3つの幸福⑧

「親切」の驚くべき効能

 人に親切にすると、オキシトシンが分泌され、「幸せ」を感じます。
 オキシトシンは、別名「親切の物質」とも呼ばれます。
「心臓血管に対する健康効果」「免疫力アップ効果」「老化防止効果」が得られるほか、寿命も延びて、セロトニン的幸福も増えます。
「人に親切にする」とオキシトシン的幸福が増えるとは言え、「人に親切にする」のは意外と難しいかもしれません。
「電車でお年寄りに席を譲る」「道に迷っている人がいたら教えてあげる」「家事を手伝ってあげる」等、何でもいいのです。
 そして、1日の終わりに、自分が行った親切を書き出してみる「親切日記」を樺沢さんは勧めます。
 文章に書いてアウトプットすることで脳に強く「親切にした」ということが記録されますので、「親切ワーク」と「親切日記」を一緒に行うことの効果は絶大です。
 何故、親切にしてそれを記録するだけで、幸福度がアップするようになるのか。樺沢さんは「自尊感情」が高まるからだと言います。
「自尊感情」とは「自分が尊い」「自分は価値ある存在である」という感情で、「自己肯定感」の要素の1つです。
 自己肯定感の低い人は幸福度が低くなり、自己肯定感の高い人は幸福度が高くなります。
「自分は人に親切にしている」「自分は相手の役に立っている」と意識するだけで、自尊感情が高まり、幸福度がアップするのです。
 但し、1つ注意しておきたいのは、「たまたま偶然に行った親切」ではなく、「自分から積極的に行った親切」でないと幸福度アップの効果がないということです。

魔法の言葉「ありがとう」

 一方、「感謝」は親切と一緒に意識することで、より大きな効果をもたらしてくれます。
 人に親切にすると感謝されます。感謝されると、オキシトシン以外にもエンドルフィン、セロトニン、ドーパミンと、4つの幸福物質が全て分泌されるのです。
 この究極の幸福状態を作り出す魔法の言葉が「ありがとう」であり、「感謝」なのです。
「ありがとう」を言うだけで、オキシトシンが分泌するだけでなく、言った人にも言われる側にも、エンドルフィンが分泌されるといいます。
 エンドルフィンは、モルヒネの6倍以上の鎮痛効果を持つ脳内麻薬で、究極の幸福物質です。
 ありがとうは言えば言うほど、自分が幸せになる言葉、ありがとうは言えば言うほど、相手を幸せにする言葉です。
 また、「親切日記」同様、ありがとうと言ったり、感謝したことを記した「感謝日記」も幸福度をアップさせる効果は大きいです。
 自己啓発の本で、「感謝すると幸せになる」ということは随分以前から書かれていましたが、それが科学的にも正しいと最近わかってきました。
「親切」と「感謝」をもって、最高の幸福感を手に入れましょう。