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寄り添うということ

「寄り添う」という言葉への懐疑

「寄り添う」という言葉をよく耳にするようになった。
社会福祉従事者や支援者がサービス利用者や当事者に寄り添ったケアや支援をするという使い方は以前からあったが、昨今政治家や企業までもが「国民に寄り添った…」「消費者に寄り添った…」と連呼する。でも、この耳障りの良い「寄り添う」という言葉が安易に使われる現状に懐疑的に成らざるを得ない。
対人援助専門職でさえクライエントに寄り添った支援ができる者はそう多くはない。

「寄り添う」という言葉の意味

不安神経症とパニック障害と診断された知人に同行して、都内某区の区役所障害福祉課、保健センター、地域活動支援センター等を訪問した。
本人の疾病だけでなく、認知症の親の介護や兄弟の問題まで絡むいわゆる困難ケースで、ある程度予想はしていたが、ワンストップで対応できる部署はなく、役所の縦割り行政の限界を感じた。
しかし、この日5か所目に訪れた相談窓口のソーシャルワーカーの対応は全く違った。
知人のたどたどしい話を優しく丁寧に聴き、極めて現実的かつ適切なアドバイスをした。
かつてソーシャルワーカーとして従事した私から見ても、これほど当事者に寄り添った支援を見たことがない。
初回20~30分の面談で知人の置かれた状況をほぼ完全に把握した対人援助スキルもさることながら、その寄り添う徹底した姿勢に、傍で見ていて心が震えた。
面談終了後に知人は言った。「何十人も面談したけど、一緒にやってくれると言った人は初めて」
私にとつても「寄り添う」という言葉の意味を再認識させてもらった素晴らしい時間だった。

先の見えない暗闇の中でもがいていた知人に、一筋の光が差し込んだような気がした。