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映画『ひまわり』

ウクライナの「ひまわり」

1970年イタリアの名匠ヴィットリオ・デ・シーカ監督の『ひまわり』。劇中のひまわり畑が当時ウクライナで撮影されたこともあって、再上映で観る人が多いという。
当時少し背伸びした映画少年だった高校生の僕は、この映画を劇場で観た。第2次世界大戦によって引き裂かれた夫婦の悲恋物語だったが、ソフィア・ローレンが演じた大人の女性の行き場のない悲しみの表情に圧倒された記憶がある。
それにも増して、画面いっぱいのひまわり畑とヘンリー・マンシーニの美しく、もの哀しい挿入曲は強烈な印象を残す。ファーストシーンの美しさとこれにマッチしたサントラという点では、50年経っても、これを超える映像はないように思う。
冷戦下のソ連でもヨーロッパ映画が撮られたという事実を想い、ウクライナ国花「ひまわり」に希望を託し、一日も早い戦禍の終息をあらためて願わずにはいられない。