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すべてがいまに繋がっているチャレンジ人生

過去の意味付けを変えれば人生は一変する!

 私は、高齢福祉分野のソーシャルワーカーとして長くやってきましたが、地域コミュニティの視点から「人の居場所」については以前から関心がありました。
 以前に不動産の仕事をやっていた経験を活かして、昨今社会問題化している空き家を活用したコミュニティの創出を考えて、2017年に活動を始めました。
 住まいやまちづくりに精通した専門家である方との出会いにも恵まれ、活動開始半年程で、築60年の古民家を活用して地域の「子ども食堂」を開設するグループの支援をすることができました。
 この支援活動経験を通して、自分がやりたいことを形にすることができる楽しさを知りました。
 自分が自由に考えて創造していくことは、雇われの身ではあまり経験できなかったことです。

 これまで、一か所に落ち着けず転職を12回も繰り返してきたことは、私の大きなコンプレックスでした。
 でも、この経歴も見方を変えれば、他人に比べて色々な仕事をやってきたという強みになります。
 社会福祉従事者で空き家活用に取り組んでいる人は多くはありません。同様に、不動産関連の仕事をやっている人で社会福祉に精通している人はほとんどいません。
 空き家を活用した子ども食堂の創出は、私にとって意味ある契機となりました。

 思えば、学習塾の教室で子供たちに教えた経験は、人に分かりやすく物事を伝える技能を自然と私に身に付けさせました。
 1,000名以上の利用者さんに対人援助を行ってきた業務は、何より私のコミュニケーションスキルを培いました。
 今までやってきた脈絡のないいくつもの職歴や経験がすべていまに繋がっているのだと思えたとき、私のなかでブレイクスルーが起こりました。

チャレンジすることを楽しむ

 60歳を過ぎて、私はやりたいことをあまり考えずに、取りあえずやってみるというスタンスに変わりました。
 自分のやりたいことは、新たに考えるものではなく、すべて自分が生きてきた人生のプロセスにあります。
 私の場合、幼い頃に小説家に憧れ、大学時代は子どもの教育を考え、社会人になってからは児童福祉の仕事や不動産の業務をやり、40歳からは高齢福祉の業界で働いてきました。
 自分がやりたいことは、過去を振り返って《思い出せばいい》のです。
「ものを書くこと」「人を教えること」「人が成長すること」「人が生きる場のこと」「人それぞれの価値や生きがいのこと」そして「どう最期を迎えるかということ」。
  こうした私の想いは、ずっと以前から私のなかにあったものでした。

 認知症の母を在宅介護し始めた私は、9時5時の仕事はできなくなりましたが、書きたかった題材の執筆を始めました。
 母が横になったベッド脇で原稿を書いていると、自称川柳作家だった亡父が生前机に向かって句読していた姿を思い出しました。
 あの頃、父の文筆活動を認めなかった私が、こうして執筆しているのは、やはり幼い日の父の影響なのだろうといまは思います。
 母は2019年7月に亡くなりましたが、12月に母の介護記録も含めた『私の人生、これでいいのだ~悔いなく生きるために人生を取り戻す!』を上梓しました。
 私は父と母の仏前に出版した本を手向けました。

 人生に無駄なことは一つもなくすべてが生まれた時から必然で、自らが本当にやりたかったことを思い出して、それをやるかどうかだけです。
 好奇心旺盛で移り気な私はこれからも、自分がやりたいと感じることをあまり考えずにチャレンジしていきます。
 何か成果を求めるのではなく、チャレンジすること自体が楽しいのです。
 私はいま、「いきいきとした楽しい毎日」を送っています。

 定年を迎える、あるいは迎えたシニアの皆さんが「チャレンジして、楽しく、いきいきした人生が送れる」ようになることを、同世代の私は心から願っています。