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ライフシフトと現代社会事情

現役世代に及ぶコロナ禍の影響

 新型コロナウィルスの影響で世界中の経済環境が激変しています。

 企業の業績悪化が続き、雇用危機の懸念が高まっています。
 野村総合研究所の試算によれば、日本でも失業者が265万人、戦後最悪の失業率6%台という大失業時代の到来も危惧されています。
 今年3月には70歳までの就業機会の確保を企業の努力義務とする改正高年齢者雇用安定法が成立し、今後70歳まで働くのが当たり前の時代になっていきます。

 シニア世代には「老後の資金2,000万円問題」や「老後破産」が話題になったのは記憶に新しいところですが、コロナ禍により真に危惧されるのは、自分の問題とは全く考えてもみなかった30~40代の現役世代にすら、後々の老後生活に支障をきたす危機に直面しかねないことにあります。

 終活は、従来シニア世代のやるものでしたが、コロナ禍は、現役世代にも将来に向かって、正しい対策を前倒しで進めることの重要性を喚起したように思います。

生活様式の急激な変化

 コロナアフターに社会の何が変わるかは、今後世界規模の大きな問題ですが、日本国内をみても、下記の要因から派生する様々な課題が山積しています。
・ 世界最先端の超高齢社会
・ 少子化・人口減少に伴う生産労働人口の減少
・ 年金・医療の社会保障制度の崩壊懸念
・ 終身雇用、定年制の見直し
・ 非正規雇用の増大、働き方改革、副業の解禁
・ 在留外国人、外国人労働者の増加
・ 新たなプラットホーム創出による社会生活の変容
・ AI(人工知能)の代替による仕事の喪失懸念
・ 価値観の多様性と社会規範の変化

 過去30年の社会的変化をみると、「GAFA」の台頭による生活様式の変化が第一にあげられます。
 アップル社を除くグーグル(1998)、アマゾン(1994)、フェイスブック(2004)の3社は、この30年以内の創業です。
 
 現在世界中多くの人たちがスマホで音楽を聴き、ネット動画を観て、ネットショッピングをし、自ら情報発信するという新しい生活様式が急激に普及しました。
 また、東日本大震災を契機として創業したLINE(2011)が、SNSの新たなプラットホームを創出してから、まだ10年も経っていません。

 30年前には誰も想像できなかった社会生活を、いま私たちは送っているのです。

この先10年で今ある仕事の49%がなくなる!

 これからの10年、生産労働者の課題に、AI(人工知能)の代替による仕事の喪失懸念があります。
 野村総合研究所は、2015年に『この先15年で日本の労働人口の 49%が人工知能やロボット等で代替可能に~ 601 種の職業ごとに、コンピューター技術による代替確率を試算~』という衝撃的なデータを公表しました。

『601種の職業ごとの代替確率の試算』では「AIで奪われる仕事」と「AIに奪われにくい仕事」を職種別に詳細に分類しています。                    
「AIで奪われる仕事」は、
 IC生産オペレーター、一般事務員、鋳物工、受付係、駅務員、警備員、通信機器組立・修理工、NC旋盤工、会計監査係員、貸付係事務員、学校事務員、機械木工、製粉工、銀行窓口係、CADオペレーター 、給食調理人、行政事務員(国・県市町村)、教育・研修事務員、経理事務員、金属加工・金属製品検査工、クリーニング取次店員、検収・検品係員、検針員、建設作業員、サッシ工、自動車組立工、自動車塗装工、製パン工、産業廃棄物収集運搬作業員、じんかい収集作業員、新聞配達員、スーパー店員、生産現場事務員、製本作業員、惣菜製造工、測量士、タクシー運転者、データ入力係、電車運転士、ビル清掃員、人事係事務員、保険事務員、ホテル客室係、郵便外務員、めっき工、レジ係、路線バス運転者 等々

 一方、「AIに奪われにくい仕事」は、
 アナウンサー、インテリアコーディネーター、映画監督、エコノミスト、音楽教室講師、学芸員、カウンセラー、クラシック演奏家、グラフィックデザイナー、ケアマネージャー、経営コンサルタント、ゲームクリエーター、言語聴覚士、工業デザイナー、広告ディレクター、コピーライター、作業療法士、作詞家、作曲家、雑誌編集者、医師、社会福祉施設介護職員、獣医師、柔道整復師、助産師、心理学者 、スタイリスト、スポーツインストラクター声楽家、大学教員、小・中・高校教員、ソムリエ、中小企業診断士、ツアーコンダクター、タレント、図書編集者、日本語教師、俳優、はり師・きゅう師、美容師ファッションデザイナー、フ舞台演出家、プロデューサー、法務教官、保育士、放送記者、マンガ家、理学療法士、ミュージシャン、幼稚園教員、盲・ろう・養護学校教員、料理研究家 等々
 
 現在コロナ禍で多くの職種に従事する人たちが仕事ができずに苦しんでおられますが、この10年の間に、もし約半数の職種がAIに代替されるようになるとすれば、どのような状況になるのか、想像しただけでも恐ろしくなります。
「AIに奪われにくい仕事」はアーティストや専門性が高い職種が多く、一般の人が従事する仕事ではありません。
 圧倒的多数の人たちが「AIで奪われる仕事」に就いているように思います。

 労働人口の49%にあたる人たちは、今後どうしたらいいのでしょうか。
 コロナ後最大の課題はここにあると思います。