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樺沢紫苑の3つの幸福⑦

「つながる」オキシトシン的幸福を手に入れよう

 オキシトシン的幸福を手に入れるには、まず「つながる」ことです。つながりを感じてオキシトシンを分泌する方法は、主に4つあります。
 1つ目は、スキンシップです。親子の交流やパートナーとの交流。具体的には赤ちゃんを抱っこしたり、ハグしたりすること等が一番簡単なオキシトシンが脳内に分泌される癒やしの行為です。
 2つ目は、友人や仲間との心の通った交流によって、オキシトシンは脳内に分泌されます。また、コミュニティやグループ、部活などに所属してしている「安心感」や「帰属意識」でもオキシトシン的幸福感は得られます。
 3つ目は、他人に対して何か親切な行為をしたとき「親切をした人」「親切にされた人」の両方にオキシトシンが分泌されます。
 親切に限らず、感謝、他者貢献、ボランティア活動などでもオキシトシンが脳内に分泌されます。
 オキシトシンは、人に親切にすると、自分と相手に分泌されるので、別名「親切のホルモン」と呼ばれます。
 4つ目は、ペットとの交流です。スキンシップや交流によるオキシトシンの分泌は、人間に限ったものではなく、犬や猫等、動物との交流によっても得られます。ペットを飼っている人が癒やされるのはオキシトシン的幸福に他なりませんん。

オキシトシン的幸福を手に入れるために仲間をつくる

 一方、つながりと真逆にあるのが、「孤独」です。
 高齢者のおひとり様問題に限らず、若者の未婚率の増加や結婚しても子供を作らないという状況下、2040年には単身世帯の割合が40%になると推計されています。
 そうしたなか、孤独は寿命を縮めるという研究がたくさんあります。社会的つながりを持つ人は持たない人に比べて、早期死亡リスクが50%低下するとわかっています。
 孤独による病気の死亡率を見ると、最も健康に悪い生活習慣の喫煙に匹敵するという結果も出ています。
 孤独を避けるために、人とつながるには、労力が必要です。即ち、自分から積極的に人間関係を構築する、自分からつながり関係性を深めていく、といった努力が必要だと樺沢さんは言います。それには自分から行動、活動することです。
 樺沢さんは、友達より、まず仲間をつくることを推奨します。友情でつながる友達の前に、共通の目的でつながった仲間をつくることです。
 趣味のサークル、スポーツサークル、勉強会等、何かしらのコミュニティに所属するのが、仲間や友達をつくる最短の道筋であり、孤独にならない方法でもあります。
 さらに、既存のコミュニティに参加して仲間が出来たら、自分のコミュニティを作り、自分を中心に人を集めるのが理想です。最終的には、「気の合う仲間だけの居心地のいいコミュニティ」ができれば、自分にとって、最良の「癒やしの場」であり、「自己実現」の場であり、幸せな空間になります。
 また、オキシトシン的幸福は人生100年時代を生きるミドル・シニア世代にとっても極めて重要なものです。孤独を防ぎ、健康で長生きしたければ、リタイアすべきではありません。
 仕事を辞めてリタイアすると、人と会う機会、人と話す機会が減り、人との接触頻度、コミュニケーション量が減ると、脳への刺激も減り、認知症リスクも大きくアップします。
 シニア世代の人たちは、生涯現役働き続けられるのが理想ですが、仕事でなくても、何らかの役割を引き受けることで、同様のポジティブな効果が得られます。これらを意識しながら「つながる」オキシトシン的幸福を手に入れましょう。