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樺沢紫苑3つの幸福①

あなたの幸せは何ですか?

 終活を考える上で、「いまを自分らしく生きる=いまを楽しく行動する」というのがメインテーマであることは前回お伝えしたとおりですが、関連して「自分の幸せとは何か」というテーマを考えてみることも重要です。
 先日(6/14)紹介した樺沢紫苑著の『The Three Happiness~精神科医が見つけた3つの幸せ』(飛鳥新社刊)はこの幸せについて考えるのにとても実用的な書です。
 まず、皆さんにとつて幸せとは何ですか、という問いかけに「私の幸せは〇〇です」と即答できる人はどれくらいいるのでしょうか。
「幸せとは何か?」「どうすれば幸せになれるか?」という幸福論に類するものは古今東西の哲学者・思想家から文学者まで2,000年以上に渡り、様々な視点から論じられたり、テーマにしてきました。

 我が国における現実の幸福感について見ると、「一流大学に入り、一流企業に勤め、適齢期に良き伴侶と結婚して、子供にも恵まれ、家族が円満に暮らせる」という最大公約数的な幸せの多くはもはや幻想に過ぎません。
 それが証拠に、日本人の幸福度は世界幸福度ランキング2020では世界第62位。主要先進国では最低です。ちなみに同ランキングが始まった2012年は第44位。 
 もし1960年代から70年代の高度成長期に同様の調査をしていたら、たぶん我が国の幸福度はもっと上位にランクされたと思います。
 経済的にはGDP世界第3位、子供の高等教育機関への進学率は高く、社会保障制度も整備され、何より治安の良さは世界一の日本に住む人々がなぜ幸福感が低いのか?
 樺沢は私たちが信じる既存の「幸せになる方法」が間違っているからだと断言します。

幸せになる方法

 一方、少し質問を変えて、「あなたは具体的にどういう状態の時、幸せを感じると思いますか?」という問いに対しては、様々な答えが予想されます。
「健康で毎日を過ごせることが幸せ」「親しい友人とおしゃべりするのが幸せ」「子供の成長を見れることが幸せ」「やりがいをもって仕事できることが幸せ」「好きな本を読むのが幸せの時間」「美味しいものを食べることが一番幸せ」「うちのペットのワンちゃんが私の幸せ」「押しのアイドルを応援するのが何より幸せ」等々、人が幸せと感じることは千差万別です。
 こうした百人百様の幸せの様相も含めて、樺沢は、本書の冒頭で「この本は幸福論ではなく、幸福になるための実用書です」と明言しています。
 幸せについて書かれた本を何冊読んでも、結局のところ幸せになる方法はよく分からないというのが大方の実感ではないでしょうか。
 樺沢自身も最初は幸せとは何かが分からなかったと言います。
 その彼が「幸せになる方法」を現実的に、具体的に、実践的に、明快な「To Do(すべきこと)」として示したのが本書です。
 本書は「幸せを考える」のではなく「幸せになる」ためのガイド本です