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おひとりさま問題とは

2035年問題って、なんだ?

 現在日本の総人口は約12600万人、総人口に占める65歳以上の高齢者の割合(これを高齢化率と言います)が28.4%、約3600万人で、世界に先駆けた超高齢社会になっています。
 皆さんは2035年問題と言うのをご存じでしょうか?
 その内容が何なのかはともかく、聞いたことがあるという方はいらっしゃるでしょう。
 これは、団塊世代ジュニアと言われる人達が65歳を超えるこの時期に高齢化率は33.4%、つまり3人に1人が65歳以上になると推計されていることから考えられる様々な課題のことを指します。
 その後も高齢者の人口割合は増え続け、2060年には高齢化率は約40%になります。
 戦後まもなくは50歳台だった日本人の平均寿命も年々延びて、現在男性約81歳、女性87歳になっています。
 但し、健康寿命~元気で自立できている~は、男性72歳、女性75歳で、平均寿命と健康寿命の差は男性9歳、女性12歳となっています。この差ができるだけ縮まっていくのが理想ですね。

 もう1つの2035年問題が、この時期独身者が50%になると言われています。
 すなわち、2人に1人は結婚していないということです。
 2015年の国勢調査によると、生涯未婚率(調査年に50歳の男女のうち結婚歴がない人の割合)は男性23.4%、女性14.1%という結果でした。
 男性は約4人に1人、女性は7人に1人が生涯一度も結婚していないということになります。
 この生涯未婚率、1990年の調査では、男性5.6%、女性4.3%でした。それ以降は調査の回を重ねるごとに割合が上昇しており、今後も増えていくと予想されます。
 戦後まもなく我が国の家族モデルは結婚して子供が5人以上いるのは普通で、高度成長期に入っても子供が2~3人いるというのが一般的でした。
 しかし、現在は非婚、結婚しない人もかなり多くなっています。
 “おひとりさま”が増えていくと様々な問題が発生します。

・おひとりさまの遺産は、どうなるの?
・おひとりさまが認知症になったらどうなるの?
・おひとりさまが施設に入所する時に、身元保証はどうするの?
・おほとりさまが病院に入院して、意識がなかったら、延命するかを誰が判断するの?
・おひとりさまが亡くなったら、誰が葬儀の手配や死後の手続きをするの?
 等々 おひとりさまにまつわる問題は多岐にわたります。

孤独死者数は、交通事故死の10倍以上!

 おひとりさま問題の究極が「孤独死」です。
 孤独死は、孤独で亡くなり、引き取り手のない無縁死のことです。
 内閣府の「平成30年版高齢社会白書」によると、2016年の東京23区内の65歳以上一人暮らし死亡者のうち、自宅での死亡者数は3,179人となり、過去最高を記録しました。
 2003年が1,451人だったので、13年間で2倍超に増加したことになります。
 この東京23区内の孤独死データを基にすると、全国では3万5千人~4万人の高齢者が孤独死で亡くなっていると推計されます。
 これがいかに大きな数字かというのは、年間交通事故で亡くなる人は約3,500人ですからその10倍以上です。
 また、2018年の全国における自殺者(全世代)が約2万人であることから考えても、孤独死の多さが理解できましょう。

 2019年9月に、金ピカ先生の愛称でマスコミにもたびたび登場して人気のあった元予備校講師の佐藤忠志さんが68歳の若さで孤独死したというニュースは、60代以降の人たちには衝撃でした。
 かつて築いた財産はすべて使い果たし、生活保護を受けながら、週2回デイケアサービスを利用していたといいます。
 亡くなった時には、自宅の電気もガスも止められ、予備校講師時代には恰幅のよかった身体も痩せこけていたそうです。
 このニュースは、孤独死が他人事ではないという現実を多くの人に印象づけたように思います。

 新型コロナの影響で孤独死したニュースが2020年5月に報道されました。
 原発事故避難者向けの福島県南相馬市の復興住宅で、浪江町の60代男性が自室で死亡しているのが見つかったというものでした。
 男性は一人暮らしで、病死とみられます。
 浪江町社会福祉協議会は、新型コロナウイルスの感染拡大により、定期的な見守り訪問を2月から中止していて、周囲も異変に気づけなかったようです。
 感染対策のもとで、孤独死を防ぐことの難しさも改めて浮き彫りにしました。

 いま、誰にも看取られることなく亡くなる人は、決してめずらしくない時代になったのです。