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いき活のススメ➅

11.過去に意味付けをする

当たり前のことですが、自分の過去は変えられないし、過去をやり直すこともできません。
しかし、人は後悔したり、悔やんだりすることは結構あります。「あの時こうすれば良かった」とか「人の言うことを聞いていれば、あんな失敗はしなかったのに」とか「あそこで違う選択をしていたら、もっといい人生が送れただろうに」等々、あれこれ後から思います。でも、「もし〇〇だったならば、〇〇になっていたろうに」というように現実はいきません。
かく言う私も、「学校は教育学部を卒業したのだからそのまま教員になっていたら全く違う人生だっただろうに」と考えたこともありました。でも、20歳そこそこの私は、当時教師にならないという選択をしたのです。後悔は後からするもので、その時には、自分で最良と思った選択をしてきているのです。人は、取り返しのつかない後悔をすることもあるし、後悔を生涯引きずっていく場合もあるでしょう。個人の力では抗うことのできない不可抗力による後悔もあります。こうした厳しい境遇に置かれた人に、前向きになってくださいと、言うことはできません。でも、重くのしかかった現実からくる行き場のない怒りや悲しみも、その意味付けを変えることができれば、少しは軽くなると私は思います。
人は後悔しているうちは、なかなか前に進むことができないのも事実です。こうした状況を打開する唯一の手立ては、変えられない過去に何らかの意味付けをすることしかないと思います。1つの事実について、その解釈、意味付けはいくらでもできます。私自身、コンプレックスだった12回転職してきたという事実を、色々な仕事を経験してきた「強み」に読み替えて、肯定的に意味付けすることができました。
過ぎ去った過去は、今の自分にとって「都合のいい意味付けをすればいい」のです。どこまでも自分勝手な解釈をすればいいので、人に迷惑をかけることもありません。人は過去を変えられません。でも過去の意味付けを変えることはできます。過去の意味付けが変われば今と未来が変わります
『嫌われる勇気』で著名な心理学者/アルフレッド・アドラーの言葉を引用します「自分自身、そして自分が人生に与える意味を理解するための最大の助けになるのは、記憶である」

12.パーキンソン病になる

2020年頃から、私は少し手の震えが気になるようになりました。特に日常生活に支障があるわけではないので、あまり気にすることなく、そのままにしてきましたが、特に右手の震えが顕著になってきました。2021年秋に神経内科を受診し、暫く様子をみましたが、改
善されなかったので脳のMRI検査をして、2022年1月、パーキンソン病の初期であると診断されました。パーキンソン病は脳の異常によって、体の動きに障害が現れる病気です。
かつては「パーキンソン病を発症すると、10年位で寝たきりになって死ぬ」といわれていました。有効な治療法はまだなく、難病指定されています。パーキンソン病は日本におよそ15万人の患者がいて70歳以上の100人に1人は罹患しているというので、それほど珍しい病気ではありません。私は病気を告知されても、不思議と動揺することはありませんでした。知人から聞きましたが、同じ病気と診断されて、落ち込んで家に引きこもってしまう人もいるようです。一方、毎日身体を鍛えている元気な罹患者もいます。
私の場合、告知前は漠然と5年スパンで人生設計を考えていましたが、告知後は1年ごとに考えるように変えました。1年経ってどれくらい運動機能に支障が出ているか見ながら次の1年をスケジューリングします。パーキンソン病の進行は比較的遅いため、備えの期間を充分コントロールできるので、自分にとっては良かったと思っています。とは言っても、いつか手足が動かなくなり、寝たきりになるというリスクをイメージすると、心中穏やかでないのは正直なところです。
罹患したのは仕方ないとしても、今後自立した生活がどれだけ続けられるかは分からないなかで、残された時間を「悔いのない人生」にしたいという気持ちは、より強化されました。
どれくらい健康寿命が続くか分かりませんが、いまは自ら提唱した、いき活のトップランナーして、できる限りチャレンジする実践者としてありたいと思っています。
人生に起きる出来事はすべて必然です。私はパーキンソン病になったことでさえ、自分の人生に必然で、必要なことだと、いまは思っています。人生の障壁に立ち向かうことを、自らに課せられたテーマとしてとらえ、過去から自分独自の人生の価値に気づけば、その人にふさわしい人生を実現していくことができると思います。
「僕が死を考えるのは、死ぬためじゃない。生きるためなんだ」アンドレ・マルロー/フランスの作家