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明日への終活⑦

13.葬儀費用195万円!でも今は?

新型コロナの影響下、昨今ずいぶんと葬儀の事情が変わってきたようです。
従来、日本の葬儀は、通夜・告別式というのが一般的でしたが、現在は火葬するだけの直葬や通夜をやらない一日葬の割合が多くなってきました。特に、コロナ以降は、親族のみでやる家族葬が圧倒的に多くなったようです。
よく直系の家族、配偶者・子供・孫だけでやるものを家族葬と思っている人が多いですが、故人の兄弟や甥姪等の親族が参列するのも家族葬になります。ですから、会社関係の人や近所の人が参列する葬儀に比べて家族葬だから葬儀費用が安くなるとことはありません。違うのは、仕出しの料理や香典返しが少なくなるだけです。
人が亡くなる場所は80%が病院です。病院で亡くなると「ベッドに空きが無いので、すぐに搬送頂きたいのですが、葬儀社はどこかお決まりですか?もし決まっていないようなら、ご紹介も出来ますけど」と言われます。ご家族も特に決まった葬儀社がなければ、「それでは宜しくお願いします」となり、病院や業者にお任せになります。     
葬儀は喪主をやらない限り、費用がどれくらいかかるかは分からないのが普通です。コロナ以前、一般葬・家族葬の葬儀費用の合計は、お寺さんへのお布施(読経料・戒名料など)を含めて平均195万円程でした。
一方、価格が安価なインターネット系の葬儀社は、葬儀会場を使用しない直葬が多くなったことと明確な定額パック料金のおかげで、特にコロナ以降は急激に売り上げを伸ばしているようです。
定額パック料金は、人件費を含むご搬送料、お棺を含む葬儀備品、役所・火葬手続きの代行料、ドライアイス代などで最低20万円程かかります。遺影写真、出棺花束、家族控室使用料、お清め会食代などは別途料金です。パック料金のドライアイスは1日分なので、逝去から葬儀当日までの日数分加算されます(1万円位/日)。戒名授与、読経料も別途ですが、最低5万円はかかるでしょう。              檀家の場合は戒名授与を含め、菩提寺の住職に依頼するため、お布施として最低30万円以上用意しなければなりません。
葬儀から納骨まで費用の合計は、檀家でない場合でも40万円、檀家の場合80万円はかかるとみた方が良いでしょう。
ちなみにコロナ以前、菩提寺のある私の母の葬儀は、参列者25名程で親類縁者だけの家族葬でしたが、先に記した平均費用位かかりました。

14.供養の仕方もさまざま

お墓は古い文化というイメージがありますが、公家や武士階級の家を除けば、実は現代の〇〇家の墓というお墓のスタイルが確立されたのは明治時代以降の文化です。。まず、永代使用と永代供養という言葉の違いですが、よくお墓を買うとかお墓を立てるとか言いますが、それは厳密にいうと墓石を買うことです。墓地は買うのではなく、土地を永代に渡って使用するということで、これを永代使用と言います。一方、永代供養というのはお墓に収められた遺骨を永代に渡って供養するということです。
日本に寺院は約6万ありますが、墓地の種類は、寺院墓地・公営墓地・民営墓地があります。宗派が決まったお寺が運営する寺院墓地は檀家によるお布施で賄われています。公営墓地は自治体が運営するもので宗派による制限はなく、都営の多磨霊園や八柱霊園が有名で、人気があります。公益・宗教法人が管理する民営墓地も宗派による制限はありませんが、公営に比べると若干割高です。
供養の仕方もお墓だけではなく、様々なものが出てきました。納骨堂は、最近テレビなどでよく見かけるエレベーター式のハイテクな納骨堂、見た目にスタイリッシュで雨の日も濡れずにカード1枚でお参りができるというフレーズで宣伝されています。最近注目されている樹木葬はいくつかのタイプがありますが、骨壺に入れたまま埋葬するタイプのものは普通の墓地と変わらず、遺骨は決して土には還りません。樹木葬に抱くイメージとは全く違う場合もありますので、選ばれる場合はよく内容を確かめたほうがいいと思います。同様に、海や山に散骨されることを望む人も増えてきました。散骨は、どこに撒いてもいいわけではありません。国有地ないし海である必要があります。遺骨をそのままの状態で埋めたり、撒いたりすると死体遺棄罪に該当する可能性もあります。散骨の際には、遺骨を骨だとわからない形状に砕く必要があり、粉骨したものを水に溶ける和紙に包んで流しますが、あっという間に溶けてあっけなく、喪失感が残る家族もいるそうです。
最近は、遺骨を加工してペンダントに入れたり、石に加工したりして、手元に置く「手元供養」なるものをする人も増えてきました。
一方現在は、墓を建てる人よりも墓じまいする人の方が多いようです。墓じまいもお寺との離檀料や墓石の撤去料がかかります。墓じまいの後は、個人の墓ではない合祀墓(永代供養墓)に移されるのが一般的です。