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明日への終活➅

11.人生で最も後悔することは

若い頃には思ってもみなかったことですが、55歳を過ぎた頃から、自分がいつかこの世を去るとき、「我が人生に悔いなし」と思えるだろうかと、漠然と考えるようになりました。私は学卒後60歳定年までに、転職を繰り返しました。何ごとも長くやり続けられない中途半端な自分の性向にコンプレックスを持っていました。
「このまま最期を迎えるのは少し心残りだな」と思いました。そんなことを考えていた頃、ある記事が目に止まりました。
米国の調査会社が80歳以上の高齢者に行った「あなたの人生で最も後悔していることは何ですか?」という問いに実に7割の人が同じ回答だったという興味深いデータです。その回答は「チャレンジしなかったこと」です。「チャレンジしなかったことが一番後悔する」という調査結果に、私は大きな衝撃を受けました。
自分の思うようにことが進まなかったり、上手くいかなかったりして、失望することはありますが、本当に後悔するのは、失敗したことではなく「何もしなかった」ことだというのです。「チャレンジしなかったことが人生で最も後悔する」ということがずっと頭から離れず、「このままの人生でいいのか」と、自分の過去を振り返り、「人生の棚卸し(※)」をしました。「悔いのない人生を生きたい」と心底思い、《チャレンジする》ことが、後悔しない人生を送る最良の道だと考えました。
「何にチャレンジするか」は分かりませんでしたが、私はとにかくチャレンジすることを決めました。60歳以降は、興味あることは、とりあえず首を突っ込んで、やりたいと思ったことはあまり考えずに、とにかくやってみるというスタンスに変わりました。実際やってみて、うまくいくこともあれば、うまくいかないことのほうが多いです。でも動けば、何かしらのフィードバックがあります。結果はあまり気にしません。行動することが楽しいのです。私の人生は一変しました。
私はいつか天に召されるとき、後悔することは少ないだろうと、いまは思います。
(※)「人生の棚卸し」は生い立ちや今までの出来事などを振り返り、自身と向き合う作業です。「なりたい自分になる」ためのツールにもなるので、ネット検索すると「人生の棚卸しシート」や「人生の棚卸しアプリ」などもあり、誰でも気軽に取り組めます。

12.遺言書を作成してみた! 

遺言書には、財産の分配方法だけを書くことができます。遺言書を残す目的は、遺言者の意思を実現する、相続に伴うトラブルの発生を防止する、相続の手続きを円滑に行うことです。
遺言は、自筆証書遺言と公正証書遺言があります。規定通りに作成されていれば効力は一緒です。他に秘密遺言証書がありますが、一般には作成しないので省略します。 
公正証書遺言は、公証人(元裁判官や検事など法律の専門家)が法律に乗っ取って指定の文言で作成しますから、法的効力は備わっているので、裁判所の検認は不要で、即実行が可能となります。遺言は本人が1通、もう1通は公証役場で保管されます。
「検認」は、相続人に対して遺言の存在及びその内容を知らせるとともに、遺言書の偽造・変造を防止するための手続きです。
自筆証書遺言は、何度でも書き直せて、自分で書くぶんには費用もかかりませんが、法律的な文章になっているかを考えると、士業の先生などに作成の依頼をするのも、一つの方法です。ただ民法の改正によって、従来はすべて自筆で書かなければならなかったのが、資産の財産目録については手書きでなくてもいいようになりました。
従来自筆証書遺言は遺言者が亡くなった後、検認手続きをしなければなりませんでしたが、「自筆証書遺言保管制度」ができたことにより、検認手続きが不要になりました。保管制度を利用し、法務局に遺言書を預けておくと、誰かが偽造したり、書き換えたりすることができないため、後から相続人同士のトラブルを防止することができます。公正証書遺言では、公証人に支払う手数料が5~15万円ほど(財産内容により変わります)かかりますが、新制度では、法務局に申請手数料3,900円を支払うだけで済みますので、費用もかなり抑えられます。
私は65歳になったのを機に、自筆証書遺言書を作成しました。遺言書の書き方をネット検索して調べてみましたが、文章の細かな言い回しや適切な文言などが分からなかったので、知人の行政書士に聞きながら作成しました。
法務局の保管制度は、遺言書の内容チェックまではしないと聞いていましたが、保管申請する際に、しっかりチェックしてくれました。私の場合、法定相続人以外の者に「相続させる」という文言を「遺贈する」に修正するように指摘され、書き直して再提出し、保管が完了しました。
私は遺言書作成後、何か1つスッキリした心境になったように思いました。