明日への終活④
7.「任意後見」で資産の対策
『認知症の親の家売れない』について、「資産の認知症対策」の1つをご紹介します。
任意後見制度は、将来認知症などで判断能力が低下した場合に備えて、本人に十分な判断能力があるうちに後見人をあらかじめ自分で選び、財産管理や身上監護などの代理権を与え、任意後見監督人が選任されたときから効力が生じる成年後見制度の一種です。
任意後見人は子どもなどの近親者もできますが、実際に任意後見が利用できるのは、本人の判断能力が低下してしまった後に限られます。法定後見制度は、本人の判断能力が低下した時点で本人の親族などが家庭裁判所への申し立てによって利用される制度ですが、任意後見制度は、本人に十分な判断能力があるうちに財産管理などに関する事務の内容をあらかじめ決めておくことができます。
任意後見制度は、任意後見契約によって本人が後見人を選ぶことができ、信頼できる親族や法律の専門家(弁護士、司法書士など)を任意後見人に選任することができるため、本人の意向を反映させやすくなります。
これに対して、法定後見制度は、家庭裁判所が後見人を決めることになります。法定後見制度の申し立て時に後見人の候補者を申し立てることはできますが、後見人などの選任は家庭裁判所がするので、必ずしも申し立てどおりに専任されるとは限りません。
法定後見制度では、誰が後見人になるかわからないという不安がありますので、信頼できる人物に自分の将来の財産管理などを任せることができるという任意後見制度の利用は大きなメリットです。 任意後見人の権限は、任意後見契約によって定められた事項に限られます。そのため、自分が希望する支援の内容をあらかじめ契約に盛り込んでおくことによって、自分の判断能力が低下した後も自らの意思を反映させた財産管理などを行うことが可能になります。 法定後見制度でも本人の利益を考えながら後見人業務を遂行することになりますが、本人がどのような意向を示していたかがわからないため、本人の意思を十分に反映させることはできない場合もあります。 任意後見制度では、任意後見人の事務処理を家庭裁判所によって選任された後見監督人が監督することになります。本人の判断能力がなくなった後も、安心して利用をすることができます。
任意後見制度は、将来認知症などで判断能力が低下した場合に備えて、本人に十分な判断能力があるうちに後見人をあらかじめ自分で選び、財産管理や身上監護などの代理権を与え、任意後見監督人が選任されたときから効力が生じる成年後見制度の一種です。
任意後見人は子どもなどの近親者もできますが、実際に任意後見が利用できるのは、本人の判断能力が低下してしまった後に限られます。法定後見制度は、本人の判断能力が低下した時点で本人の親族などが家庭裁判所への申し立てによって利用される制度ですが、任意後見制度は、本人に十分な判断能力があるうちに財産管理などに関する事務の内容をあらかじめ決めておくことができます。
任意後見制度は、任意後見契約によって本人が後見人を選ぶことができ、信頼できる親族や法律の専門家(弁護士、司法書士など)を任意後見人に選任することができるため、本人の意向を反映させやすくなります。
これに対して、法定後見制度は、家庭裁判所が後見人を決めることになります。法定後見制度の申し立て時に後見人の候補者を申し立てることはできますが、後見人などの選任は家庭裁判所がするので、必ずしも申し立てどおりに専任されるとは限りません。
法定後見制度では、誰が後見人になるかわからないという不安がありますので、信頼できる人物に自分の将来の財産管理などを任せることができるという任意後見制度の利用は大きなメリットです。 任意後見人の権限は、任意後見契約によって定められた事項に限られます。そのため、自分が希望する支援の内容をあらかじめ契約に盛り込んでおくことによって、自分の判断能力が低下した後も自らの意思を反映させた財産管理などを行うことが可能になります。 法定後見制度でも本人の利益を考えながら後見人業務を遂行することになりますが、本人がどのような意向を示していたかがわからないため、本人の意思を十分に反映させることはできない場合もあります。 任意後見制度では、任意後見人の事務処理を家庭裁判所によって選任された後見監督人が監督することになります。本人の判断能力がなくなった後も、安心して利用をすることができます。
8.元気なうちに「家族信託」
任意後見に続き「資産の認知症対策」をもう1つご紹介します。利用するのに一定の制限がある成年後見制度に比べて、本人が元気なうちから家族が財産を管理することができる「家族信託」(「民事信託」も同義で使用される)が最近注目を集めています。信託は2006年に信託法が改正されるまでは一般には馴染みがないものでしたが、2007年に施行されてから、民法以外の方法で財産を引き継ぐ仕組みが作れるようになりました。財産を所有する人が元気なうちに、息子や娘に自分の財産の管理や処分をする権限を託すものです。
元気なうちに「信託契約」を締結しておくことで、任せた人が認知症等で判断能力が低下しても、託された人が制限なく、生前贈与等の相続対策も含む財産管理を遂行できます。家族信託では、委託者、受託者、受益者の3者が当事者になります。 委託者(資産も持つ人)が「契約」によって、受託者(子供等)に対し、資産(不動産・預貯金・株式等)を移転し(不動産は受託者に名義変更、預貯金は民事信託口座の開設など)、一定の目的(信託目的)に従って、受益者(資産からの収益を受け取る人、委託者と受益者が同一で構わない)のために、その受託財産を管理・処分・運用することをいいます。 家族信託の契約では、本人が亡くなった後に財産を引き継ぐ人を指定することができます。通常不動産オーナーである親が認知症になると、相続対策が継続できなくなるリスクがありますが、家族信託を活用すると、子供が代わりに管理や修繕、契約や売却など、資産活用を継続して行うことのできます。 家族信託でできることは、親が認知症になっても資産活用ができるほか、親(委託者)の介護や生活等のための専用の金融機関口座を開設することもできます。
家族信託の制度はスタートしてから日が浅く、まだそれほど普及してはいませんが、弁護士や司法書士に依頼して、手続きを代行してもらうことができます。
但し、家族信託という名称どおり、委託者、受託者、受益者の3者の当事者はすべて親族であることが原則です。しかし、世の中には身寄りのない資産家もいますし、たとえ親族がいても事情で絶縁状態になっている場合もあります。そこで新しく登場したのが「ふくし信託」です。ふくし信託の場合は、受託者が親族ではなく、法人(事務を担当するのは民事信託士の弁護士、司法書士)になります。おひとりさま世帯が急増する昨今、新たなスキームとして期待されます。
元気なうちに「信託契約」を締結しておくことで、任せた人が認知症等で判断能力が低下しても、託された人が制限なく、生前贈与等の相続対策も含む財産管理を遂行できます。家族信託では、委託者、受託者、受益者の3者が当事者になります。 委託者(資産も持つ人)が「契約」によって、受託者(子供等)に対し、資産(不動産・預貯金・株式等)を移転し(不動産は受託者に名義変更、預貯金は民事信託口座の開設など)、一定の目的(信託目的)に従って、受益者(資産からの収益を受け取る人、委託者と受益者が同一で構わない)のために、その受託財産を管理・処分・運用することをいいます。 家族信託の契約では、本人が亡くなった後に財産を引き継ぐ人を指定することができます。通常不動産オーナーである親が認知症になると、相続対策が継続できなくなるリスクがありますが、家族信託を活用すると、子供が代わりに管理や修繕、契約や売却など、資産活用を継続して行うことのできます。 家族信託でできることは、親が認知症になっても資産活用ができるほか、親(委託者)の介護や生活等のための専用の金融機関口座を開設することもできます。
家族信託の制度はスタートしてから日が浅く、まだそれほど普及してはいませんが、弁護士や司法書士に依頼して、手続きを代行してもらうことができます。
但し、家族信託という名称どおり、委託者、受託者、受益者の3者の当事者はすべて親族であることが原則です。しかし、世の中には身寄りのない資産家もいますし、たとえ親族がいても事情で絶縁状態になっている場合もあります。そこで新しく登場したのが「ふくし信託」です。ふくし信託の場合は、受託者が親族ではなく、法人(事務を担当するのは民事信託士の弁護士、司法書士)になります。おひとりさま世帯が急増する昨今、新たなスキームとして期待されます。