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樺沢紫苑3つの幸福⑨

自己成長物質のドーパミン

 ドーパミンは、簡単に言うと、「自己成長物質」です。
 何かを頑張って成果を得たときに、「やった!」という達成感が得られます。この達成感はドーパミンによるものです。「また次も頑張ろうと!」という気持ちになって、さらに難しい仕事や課題にチャレンジし、また結果を出していく。これを繰り返していくことで、人は成長していきます。
 ドーパミンは、「もっともっと」という感情とやる気、モチベーションを引き出してくれます。
 ドーパミンはまた、「学習物質」とも言われます。
 ドーパミンが分泌されると、集中力、生産性が上がり、記憶力が高まります。
 学びの効率が大幅にアップして、自己成長を加速してくれます。

「幸福の掛け算」で増幅するドーパミン的幸福

 一方、ドーパミン的幸福感を考えるとき、お金の問題は欠かせません。
 しかしながら「お金持ちになれば幸せになれる」というのは一面でしかなく、所得が増えると幸せを感じるのは、一定の金額までで、それ以上額がいくら多くなっても、幸せ感は増幅しません。
 最近の脳科学の研究では。所得よりも、「健康」「人間関係」「自己決定」の方が幸福度に関連しているという結果が出ています。
 どれだけお金を手に入れても、持続的な幸福を得ることはできませんが、樺沢さんは「幸福の掛け算」という方法を提案しています。
 以前からマネー本、自己啓発本には、「お金に感謝する人がお金に好かれる」とか「感謝の気持ちを持つ人が成功する」と書かれてきました。    
 但し、これは、お金持ちや成功者を観察した共通項や経験知から言及されたもので、その科学的根拠は記されていません。
 しかし、樺沢さんは脳科学の見地から、「お金に感謝するとお金持ちになる」理由をドーパミン的幸福である金銭的幸福が、オキシトシン的幸福の感謝と結びつくからだと説明しました。
 例えば、1万円の商品が売れた場合、感謝のない人の「1万円の商品が売れて嬉しい」という感情は、単に「100%がドーパミン的幸福」に過ぎません。
 一方、1万円の商品が売れたとき、お客様、社員、取引先あっての売上と、様々な人に感謝することで、同じ「嬉しい」の70%がオキシトシン的幸福、残りの30%がドーパミン的幸福のような状態になります。
 その結果、感謝のない人はその幸福感はすぐに逓減しますが、感謝のある人は幸福感が継続していきます。
 そして、「1万円に感謝できる人」は、次の1万円を呼び寄せるのです。
 感謝、親切に溢れたお金の使い方が、自らのオキシトシン的幸福だけではなく、相手のオキシトシン的幸福を満たしていく。満たされた相手は信頼感を持ち、その人の、その会社の商品を買いたくなる。
 感謝、親切によって生まれた逓減しないオキシトシン的幸福をもとに、ドーパミン的幸福もより強化されていくのが、「幸福の掛け算」ということです。