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おひとりさま、万一のとき

おひとりさま、死んだら後のことはどうなる?

 現在の終活は「残された家族が苦労しないように」といった側面が強く、家族の在り方が多様化する中で変化するニーズに対応しきれていないのも現状です。
 特におひとりさまの場合は、財産や家財の整理、葬儀やお墓からペットの世話等まで様々な意思表示等を、すべて当事者がやらなければなりません。
 終活の代名詞とも言えるエンディングノートの活用が徐々に普及してきましたが、財産処分を取り決める遺言書は書いたけれど、書く項目が多いエンディングノートは手が付けられないという人も少なくありません。
 大事なことだとわかっていても終活がなかなか進まないのは、やるべきことの多さや物事の煩雑さゆえになかなか重たい腰が上がらないからでしょう。
 エンディングノートは、本人の死後、家族などにノートに書いてある意思を実現してもらう必要があります。
 自分の死や死後を前向きに捉える終活は、家族や身寄りがいれば積極的に取り組めますが、おひとりさまはそうはいきません。
 おひとりさまの終活におけるエンディングノートは、ただの記録になってしまうことや管理の難しさなどがデメリットとして挙げられています。

 現在、病院に入院する時や施設に入所する時は9割以上が保証人を求められます。
 通常、家族の方が行いますが、身元保証してくれる人がいないおひとりさまも増えています。
 病院で保証人が求められる理由としては、
① 医療行為の説明、
② 入院費の保証、
③ 万一お亡くなりになった場合の引取りです。
 こうしたおひとりさまのニーズに応える身元保証代行サービスというのものもあります。
 身元保証を代行してくれるサービスはお金を払えば利用できますが、手術をするか否か、延命措置をするか等は本人の同意が必要ですし、本人の意思表示ができない時には家族の意向を求められます。
 しかし、身寄りがないおひとりさまの場合、本人の意思確認ができない時はこれを誰かが判断しなければなりません。
 この課題に対して出来ることは、自分の意思を予めはっきりさせておくことが必要で、エンディングノートの活用が有効な手段の1つになります。

死後事務委任契約

 配偶者も子どももいない“おひとりさま”が増えています。
 元気なうちは良いけれど、住まいの確保、死後に関する準備、孤独死対策など、ひとりではできないこともあります。
 おひとりさまの終活は、後見人や住まい、葬式などの問題への対処法が重要になります。
 老後の自分のために、おひとりさまは準備しておくことが必要です。
 身元引受人になってくれる人がいない場合は、身元保証を含めた、高齢者向けのサポートサービスを提供する事業者もあります。
 おひとりさまには、定期的に安否確認の訪問をしてくれる見守りサービスや緊急事態にボタン操作1つで駆けつけてくれる緊急通報システムがあります。
 これらは、民間の警備会社でもやっているサービスですが、多くの自治体でも行っています。
 高齢者のおひとりさまを対象に、安否確認訪問や見守りを兼ねた弁当宅配などを実施しています。

 自分の死後について希望がある場合は、その内容を指定し、実行を託す『死後事務委任契約』を結んでおくと安心です。
 死後事務委任契約で託せるのは、死亡届の手続き、葬儀や納骨の手続き、供養、遺品整理、各種費用の清算などです。

◆死後事務委任契約で委任できること
・医療費の支払に関する事務
・家賃、地代、管理費などの支払いと敷金、保証金などの精算に関する事務
・老人ホームなどの施設利用料の支払いと入居一時金などの受領に関する事務
・通夜、告別式、火葬、納骨、埋葬に関する事務及び永代供養に関する事務
・行政官庁などへの諸届事務など

 死後事務委任契約は友人・知人とも結べますがが、法律上の手続きが多いので、法律のプロである弁護士、司法書士、行政書士に頼むのが一般的です。